トミ子マガジン 第13号 2002/8/8
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トミ子マガジン 第13号 2002/8/8
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▼“八月や、むいか、ここのか、じゅうごにち”
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原爆投下、敗戦から57年目の夏を迎えました。被爆者は高齢となり、原爆の実相を知る人は年々少なくなり、戦争は風化しつつあります。しかし世界に目を向けると、数十カ国が紛争のさなかにあります。
そんななか昨年の9月11日、米国で同時多発テロ事件がおきました。これまで私たちが積み上げてきたつもりの平和が、根底から破壊されたような衝撃があり、世界中の人々に恐怖と不安を抱かせ、同時に怒りと深い悲しみをあたえました。そして空爆から3日後の9月14日、テロの原因が分からないまま、米国議会はブッシュ大統領に武力行使の権限をあたえる決議を採択しました。最初に世界貿易センタービル崩壊のニュースを見たときに感じた、“報復戦争”が始まるかもしれないという恐い予感が的中したのです。
この決議採択から2日後の朝日新聞の記事で、私は米国民主党の下院議員、バーバラ・リーさんの名前を初めて知りました。報復戦争決議にただ一人反対票を投じた議員です。この囲み記事は、彼女がこれまでもイラクへの爆撃支持の決議にも反対し、コソボ紛争の際の軍事行動にもただ一人反対したことも伝えていました。その後、バーバラ・リー議員を日本に招聘する計画がNGOの皆さんを中心に持ち上がりました。我が朋友にして盟友である、同じく民主党の金田誠一衆議院議員が市民の皆さんとアメリカに出向くなどして、ついに8月2日、彼女の日本講演会が実現しました。私も、バーバラ・リーさんを呼ぶ会の呼びかけ人の一人となりました。当日、講演の行われたホテルの会場には2000人の皆さんが詰めかけ、彼女の言葉に熱心に耳を傾けてくださいました。
報復戦争決議に反対した理由について彼女は、この決議が大統領に「テロをおこなう、または援助する、またはかくまう国、組織、個人に対する武力を行使する権限」を、世界中どこにでも適用される形で、しかも無期限に与えるものであり、このような広範な権限を大統領ひとりに与えることは反対だ、宣戦布告をする権限は憲法上、議会にあるはずだ、と語りました。合衆国憲法を何度も読みなおしているという、彼女らしい言葉です。
バーバラ・リーさんは、偉大な反対者であるだけではありません。彼女は、「平和とは、緊張がないと言う状態ではなく、正義が存在することである」というキング牧師の言葉を引用し、積極的に平和を創る意思を明確に示しました。その意思を具体的なかたちとして提起したのが、テロに先立つ7月、彼女が同僚議員とともに提出した「平和省設置法案」です。これは、閣僚レベルの平和長官を設け、平和を実現するために正義と民主主義を促進し、また、具体的に方策をたて、アメリカおよび世界の紛争を話し合いなどによって解決していこうとするものです。「9月11日のテロ後、閣議での議論の際に国防省長官の横に平和省長官が座り、外交政策、安全保障戦略を議論したら事態は違っていたでしょう。戦争は犠牲をともないます。こうした試みを通して私たちは平和を現実的なものにしなければなりません」と語ってくれました。アメリカの一国主義的傾向に警鐘をならす彼女はまた、平和を望む世界の市民が連帯することの重要性を訴え、さらに、私たちひとりひとりの行動を求めました。
たった一人となってしまった反対票を投じた後、様々なプレッシャーがかかる中、彼女は精力的に小さな集会を重ね、積極的な活動の結果、今年3月に行われた予備選挙において85%もの高得票率で勝利しています。
戦争の過去をみつめ、現在を問い、未来に向けて決意を新たにする8月という月に、彼女の次の言葉に出会えたことを大切にしたいと思います。「平和こそが私たちの最終目標であり、その実現のために、私たちは行動しなければなりません。私たちが行動しなければ、誰も平和を構築してくれないからです。」「私たちはそれぞれの信念に基づいて、何が大切かという自分自身の基準を持って、困難な道を突き進んでいく必要があります。そうしてこそ、テロによる自由の侵害を防ぐことができるのです。」
参議院議員 岡崎トミ子