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トミ子マガジン 第17号  2003/1/14

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       トミ子マガジン 第17号  2003/1/14
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▼゛春をはぐくみ゛新しい発展の年に
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 皆さま新年明けましておめでとうございます。
 今年は癸未(みずのと)、いわゆる未(ひつじ)の干支(えと)です。
 癸(みずのと)は水の弟の意味で、草木の精に陽気が訪れ、万物が萌え出ずる事を示しています。季節では晩冬にあたり、霜をいただきながらもすでに土は、春の訪れを感じています。『書道家望月美佐さんのことばから』
゛春をはぐくみ゛、すべての面で新しい発展をもたらす癸(みずのと)の年、21世紀の循環・分権型社会の実現にむかう一年になることを願わずにはいられません。
 
地域から変わる日本
 21世紀日本、地域から変わる日本の姿が見えてきたようです。昨年12月2日、島根県知事は「中海・宍道湖の淡水化事業」の中止を農水省に申し入れることを表明しました。島根、鳥取にまたがって農業用水と農地を確保しようと始まったこの事業はこれまで851億円の費用をかけ、実に40年を経て、「動きだしたら止まらない」と言われた大型公共事業の一つが中止になるわけです。いま、宍道湖の環境を守るために、山間部の住民と沿岸住民が協力をした「水質浄化作戦」が着々と進んでいます。コンクリート護岸からアシの護岸へ。NPOと地元の小学生がアシを植えたポットを設置し、その景観も大きく変わろうとしています。

 岩手の増田知事は昨年11月、コンクリート護岸を壊し、自然の河川に戻す「自然再生公共事業」に着手することを発表しました。

 今や時代の最先端となった゛近自然工法゛が日本の川を蘇らせようとしています。ドイツでは、三千箇所の「川の再自然化事業」が予算のつくのを待っているといいますから驚きです。世界で採用されている「川の再自然化」は、江戸時代まで日本が使っていた伝統河川工法を取り入れたものです。山形県の立川町を二年前に訪問する機会がありました。1993年に三基設置し、現在十基の風力発電で人口七千人の町の消費電力55%をまかなっています。もうすぐ、自然エネルギー100%の町が誕生しようとしています。

 「自治体でできることはあえて国がやる必要がない」、このことを原則にすべきではないでしょうか。介護基盤整備・教育はもちろん、エネルギー供給、食糧自給、二酸化炭素の排出削減など全て地域単位・自治体単位で考えていきますと、そこから地元の資源を生かした地域の元気づくりが見えてきます。 

 「官から民へ」「国から地方へ」「全国一律から地域らしさへ」。規制緩和の一つとして、政府が自治体などから募集した「構造改革特区」の流れも大いに注目しています。農家宿泊者にどぶろくや山ぶどう酒などの自家製造酒を飲んでもらい、隠れた食文化として農村の魅力を広めようとした岩手県提案の「どぶろく特区」は大変興味深いものでした。これは酒税法の例外を求めたものですが、現在のところ財務省の反対で採用されておりません。提案があった426の特区構想を実現するためには903項目の規制緩和が必要ということですから、規制のすごさがわかります。ここ数年、公共事業の削減に伴い、地方経済のよりどころの資金源が断たれつつありますが、この特区構想の活用によって、地方が自立的な経済圏を形成して地方経済の再生をはかる切り札にもなりえます。地域住民、消費者、市民の視点が生かされて、健康、安全、生活、消費者の権利といった切り口から特区構想がひろがっていくことを期待しています。

真の構造改革は地方分権
 一昨年の参議院議員選挙の際に私は、゛構造改革のど真ん中に地方分権゛を訴えさ
せていただきました。今こそ、地方の力を結集して、補助金廃止へ踏み出すときで
す。例えば、年間3兆円の義務教育費国庫負担分は所得税3兆円を住民税に税源移譲
することで義務教育が自前でできます。教育の地方分権が確立されることになりま
す。学区制の枠をはずし、学校を自由に選べる地域も広がりを見せています。公立と
いえども、゛いじめ゛を放置するような学校に通学する生徒はいなくなります。

 「農業の構造改革」のなかで、30年以上続いた減反助成金の廃止の方向が打ち出され、中央集権的な補助金行政も終焉を迎えつつあります。この際、補助金も権限も地方に渡し、県別、市町村別の「地域食糧自給率」を示して、地域ごとの対応をすべきではないでしょうか。

 公共事業を単に削減するのではなく、バイオマス(植物地上資源・農林漁業資源)などの環境・循環型の新しい公共事業への転換を図っていく必要があります。今は国がほとんど支配している公共事業を、補助事業をなくした上で、国が行うべきものと市町村など地元自治体が行うものと二つに分けます。市町村がどの事業をやるか自分たちで自由に決定する「市民事業」こそ、新たな産業育成、企業の再生、雇用の創出のカギをにぎっていると思います。

 昨年私達は、「金融アセスメント法案」を国会に提出いたしました。この法案は、地域で集めた金を地元企業に還元し、地域経済活性化につなげていくのが目的です。地元企業に円滑に資金供給しているかどうか、融資の拒否理由をきちんと説明しているかどうか、この視点で銀行業務をチェックし、情報を公開します。この情報を判断材料にして、借り手が貸し手(金融機関)を選択していくシステムです。地域金融をつぶさず育てていくためにもこの法案の成立に力を入れてまいります。

暮らしを豊かにする土台づくり
 03年度の国民負担増は、医療保険料の引き上げと自己負担増や増税で3兆円前後
と予想されます。失業を減らし、消費を回復するためには、雇用創出、再就職支援、
失業者生活保障の雇用政策、基礎年金、医療保険など社会保障の基盤強化による先行
き不安の解消は緊急の政治の責任課題です。

 暮らしを支える土台゛を豊かにする上でNPO(非営利組織)の果たす役割が大きくなっています。介護、まちづくり、いじめ・不登校など子どもの教育、保育支援、ゴミ・環境問題、男女共同参画など公益に関わる行政のパートナーです。昨年末約8700のNPO法人のうち、わずか10法人しか支援税制を受けられない現状を打破するために、今年こそしっかりとした支援税制を確立するためにがんばります。ことしは介護保健制度の見直しの年、現場と利用者の声を反映させて、グループホームや宅老所、ユニット型で個室の老人ホームの整備、介護報酬の見直し・改善に取り組んでまいります。多様な変化が起こる時代、社会の制度や慣行は、特定のライフスタイルを標準とするのではなく、どのようなライフスタイルにも中立的であることによってはじめて、一人ひとりの選択のサポートが可能となります。新しい男女共同参画政策は、女性のための女性政策を超えて、性別・年齢にかかわらず、あらゆる人の自立と安心を保障するものです。社会保障や税制も、私たち一人ひとりがライフスタイルを選択し、職場や家庭・地域での活躍を支えていくためのものに変えていかなければなりません。

 今年一年も、国会を「開かれた市民の窓口」として活用していただけるように力を注いでまいります。未(ひつじ)年が皆さまにとって、゛春をはぐくみ゛新たな発展の年となりますように。

参議院議員 岡崎トミ子