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トミ子マガジン 第20号  2004/1/26

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       トミ子マガジン 第20号  2004/1/26
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▼歴史に何を学び、次世代に何を遺すのか
       ―「夢見る力」を失うまい
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火曜日の未明、日の丸をつけた軽装甲機動車、高機動車など8台が砂漠を抜けてイラクのサマワに到着しました。月曜日の朝、クウェートの米軍キャンプを出発したイラク人道復興支援特措法に基づく自衛隊の先遣隊です。戦後初めて「戦地に自衛隊が派遣された」として海外でも速報で報道されました。既に航空自衛隊の先遣隊は年末から30名ほどが現地で活動を開始して司令部も開設しており、陸上自衛隊の先遣隊への派遣命令と同時に航空自衛隊本隊への派遣命令も出されています。民主党は今回の自衛隊派遣に明確に反対しています。国会閉会中だったとは言え、先遣隊の出発を防げなかったことが残念です。

小泉総理は日本も国際貢献をしなくてはならないと言っていますが、今回の派遣はあくまでも米英が主導する連合国暫定当局(CPA)による統治への支援です。イラク戦争に協力しなかった国々を「復興ビジネス」から締め出す方針を米英が示して国際社会の反発を呼んだのは記憶に新しいところだと思います。今年中にイラク人による統治に移行するスケジュールが提示されていますが、「米英に都合のいいイラク人」ばかりが厚遇され、移行の行く末が案じられていると報道されています。これまでの経緯からも、現実的な対応としても、一日も早くイラク復興支援を国連主導の枠組みに戻す必要があります。今度の自衛隊派遣は米英による大義なき戦争を追認するばかりです。そして私にとってはやはり、戦闘が続く地域への自衛隊派遣という憲法違反は許すことができません。

私の名刺には、21世紀最初の年である2001年から「平和と希望の二十一世紀を」という言葉が刷り込まれています。「戦争の世紀」であった20世紀を抜けて、「平和と希望の世紀になって欲しい」という願いと「平和と希望の世紀を創る」という決意を込めた言葉です。

「前世紀」の終わり、1999年8月30日に、それまで四半世紀にわたってインドネシアの支配下にあった東ティモールが21世紀初頭に「独立」することが決まりました。議員活動の最初からこの問題に関わってきた私にとって、幸先の良い21世紀のスタートになるはずでした。ところが2001年9月11日、まさに21世紀の最初の年にあの米国同時多発テロが発生し、その後アフガン攻撃、イラク戦争と続いてしまったのです。私たちが目の当たりにしているのは力によってトラブルを押さえ込もうとする風潮と国際協調によって世界の秩序を保とうとする努力が無にされている姿です。

そして日本では今、憲法改正の議論が現実味を帯びてきています。戦争放棄条項と呼ばれる9条も議論の対象となる勢いです。「憲法違反の疑義」などものともせずに自衛隊がイラクに送り込まれる状況を目の当たりにしつつ、これまで先人達が大切にしてきたものが得体の知れない勢いの中で、簡単に失われてしまう恐怖を覚えます。

憲法9条というのは、「戦争の世紀」であった20世紀の終わりに、私たちの先人が大変な苦悩を経て到達し、私たちに遺してくれた大きな遺産です。戦争の惨禍に苦しめられた当時の日本人にとって憲法9条はまさに夢と希望の象徴だったと思います。憲法の前文は「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という言葉で9条の精神を語っています。この「決意」は決して現実逃避の夢や理想ではありません。日本と世界の平和思想の積み重ねを礎としたもので、平和主義を世界に先駆けて明文規定としたものです。

今年の初め、毎日新聞の社説が「『夢見る力』を取り戻そう」と訴えました。社説は今の日本社会が「時代を超えて受け継がれる夢や理想のようなものを見る力」が弱まっているのではないか、と警鐘を鳴らし、それは「子どもらの世代に伝えるべき『よいもの、美しいもの』が見えなくなっているということ」だと分析しています。まったくその通りだと思います。これまで歴史をかけて人類が築き上げてきたものは何か。日本人が大切にしてきたものは何か。そういう本当に大事なものが何かをもう一度見つめ直して、何を次世代に遺すかを考えなければなりません。こういう作業を丁寧にやらないと、その場限りの乱暴な二元論に私たちは負け続けてしまうのではないかと心配をしているのです。

「夢物語」、「夢見がちな」・・・。「理想論」「理想に過ぎない」・・・。とかく「夢」とか「理想」という言葉は現実認識を欠いた無責任さといったニュアンスを伴って使われることが多いようです。しかし、困難な現実を跳ね返し、前向きに新しい状況を創り出してきた原動力が先人たちのたくましい「夢」であり「理想」であったと思います。今こそ私たちの夢や理想を鍛えなおし、「平和と理想の二十一世紀」の実現に力を尽くしましょう。まずは陸上自衛隊本隊のイラク派遣を阻止するための国会での闘いに、市民と連携して取り組みます。

 

参議院議員 岡崎トミ子